ユミダス―さ


・さかき【榊】
神棚に添えられている木。水替えはこまめに行われている。実は弓道場の隅に自生しており、うっかり買い忘れたりしたときは伐採してくることもできるが、枝振りが市販品に比べてとてもワイルドなのですぐにばれる。

・ざ-しゃ【座射】
一度跪座した状態から立ち上がって弓を引くこと。体配に従った正式な弓の引き方。⇔立射

・ざん-ねん【残念】
引いた矢4本すべてを抜いてしまうこと。立練や試合で出すとヤバイことになる。誰が言ったか「残は猫と同じ」(残念だったら立ちに猫が居るのと変わらないという意味)という言葉もある。

・しけんれい【指建礼】
礼の一種で、もっとも軽い礼。正座の姿勢から両指先だけが床に着いた姿勢。教本によると礼射において第一介添えはこの姿勢をとっているらしいが、明らかに膝頭線の「折手礼」ではないだろうか。

・じこ-しょうかい【自己紹介】
ここでは1年生が四大戦コンパのときにする自己紹介のこと。仕方は「失礼します、自己紹介させて頂きます。自分(私)成蹊大学体育会弓道部○○学部○○学科1回生○○であります、以後よろしくお願い致します。・・・ないようなのでこれで失礼させて頂きます。」である。ちなみに男子はこれを大声でやらなくてはいけないし、たまに変な質問がくるのでけっこう大変。

・しゃほう-はっせつ【射法八節】
射術のまさに基本。初心者は一番初めに覚えることになる。 会と残心は射法八節の一項であるということを忘れている人が多い。

・しつれい-しまし-た【失礼しました】
おそらく成蹊弓道部員が、一年間に発する回数としては最多の単語。身体や弓具どうしがぶつかった時などに使われるのが基本だが、上級者になってくると、事あるごとに「失礼しました!」と叫ぶようになり、プロフェッショナル級になると、部活外でも自然と口から出てしまう。

・じゆう-つけ【自由付け】
自由付け矢の略。決められた時間内において、的は自由で、引く本数も自由。試合や立練の前には必ず行われる。

・じゅう-ペナ【重ペナ】
ペナルティーの中でも無断欠席など、特に程度の重いものを指す言葉。これをやると名前の横に「重」と書かれ、重状態の者は名前が「〜しげ」のように呼ばれる。「正」と合わされば「〜しげまさ(重正)」になるはずだが、これは未確認。⇒ペナルティー、正

・じゅん-だち【順立ち】
立ちの順番で引くこと。つまり大前→弐的→・・・→落前→落の順。⇔乱立ち

・しょう-らく【松楽】
成蹊大学の近くにある中華料理屋。中華料理屋のくせにラーメン系はイマイチで、一押しメニューは「スタミナ丼」。ここまでなら一般の飯屋だが、松楽のすごいところはどこにでも出前してくれるところ。弓道場だろうが8号館だろうが、トレードマークの赤ヘルかぶったおっちゃんがおかもち提げて「はいよスタ丼おまちー」

・しょ-き【書記】
下級役員の一。規約によると書記は部会議事録の記録係だが、その実状は立会用紙の作成や交替用紙の作成、ホワイトボードの管理、部員札の作成やトロフィーの帯書きなど、ペンが絡む作業に必ず関わる多忙な役職。⇔会計、庶務

・じょし-こうい-しつ【女子更衣室】
きれいに整理整頓されている。ホットカーペット、マンガ文庫完備。住めば極楽。⇔男子更衣室

・しょ-む【庶務】
下級役員の一。規約によると庶務は主務の補佐役、しかしてその実状は雑用係。基本的業務は備品の調達、写真撮影・現像など。ただし業務管轄に関しては広範な裁量権が与えられているため、影で何をやっているのか一番わからない二人組。⇔会計、書記

・じろう【二郎】
成蹊大学正門近くの人気のラーメン屋。ラーメンとは呼びがたい麺と激辛の味には麻薬並みの常習性がある。ただし初心者は副作用に悩まされるおそれあり。諸般の事情(自主規制)により、現在は「ラーメン生朗(なまろう)」。

・じろりあん【ジロリアン】
「二郎」をこよなく愛する人達のこと。食事の話になるとたいてい二郎の名がでたりする。「まし」や「つけ」という言葉に過敏に反応したり、昼休み後に妙にニンニク臭い奴がいたらおそらくジロリアン。

・しんさ【審査】
昇段審査のこと。年に数回行われる。体配を行う実技と筆記試験がある。「初段は金で買うもの」とは、かの有名な教士の御言葉。

・しんさ-れん【審査練】
審査が近い時期に、正規練とは別に行われる。主に審査を受ける人が対象で体配練をする。

・しんじん-せん【新人戦】
4月の上旬くらいに行われる。リーグ戦未参加の選手が出場するトーナメント戦。本大学はなぜか毎年必ず2試合目にT部・U部の強豪と当たり、大差で蹴散らされる。ツイてない。
幹部のクジ運によっては一回戦から当たってしまうこともある。ツイてない。


・しん-ぜん-び【真善美】
弓道において最も重要とされる3つの要素。これらをすべて備えると後光が差すらしいが、中りに血道を上げる大学弓道ではほぼ無理。ちなみに日常用語として何か気に入らないものに対して「真善美がなってない」と評することもあるが、この場合の真善美の適用範囲は恐ろしく広く、そしてだいたい本来の真善美からは外れている。

・しん-ぱい【神拝】
試合、その他射会、合宿の始めと終わりに神棚に向かって行う。揖を1回、深く礼を2回した後に手を2度たたき、深い礼1回、最後にまた揖を1回する。「2 礼2拍手1拝」に前後の揖が付いたもの。うっかり外の神社でやると弓道人だとバレる。神棚の無いところでは的や国旗に向かって「礼拝」を行う。ミッション系の大学では行わないところもあるが、下位の大学を見下してわざと行わない礼儀知らずな大学もごくたまに見受けられる。

・ズシャ-る【ズシャる】
矢が的に届かず手前に着地し、そのまま的の下に抜くか、掃き中りで的に届くこと。ただ抜くよりも「やっちまった」感は大きい。雨の日は水しぶきが上がったりする。

・す-びき【素引き】
矢をつがえないで弓をひくこと。初心者は矢をつがえて引く前にこれを練習する。また、ウォーミングアップにしたりもする。うっかり離してしまうことを「空引き」といい、払うわ弓は傷むわで散々なことになる。

・スネ-や【スネ矢】
スネーク矢の略。蛇のように左右にぶれながら飛んでいく矢。見た目と裏腹に、それなりに中ることもある。

・せきぐち-ひろし-の-とうきょう-フレンド-パーク【関口宏の東京フレンドパーク】
巻藁で後ろの壁にヒットしたり、的小屋の扉にぶち当てたりと、道場施設に何かしらの「きずあと」を残した者に贈られる称号。元ネタはTBSの人気番組の最後に行われるダーツから。

・せい-ざ【正座】
弓道での基本的な姿勢のひとつ。長時間やっているとぴりぴり来る。まったく痺れない人もいて、うらやましい限り。現行のペナルティーの前の部員罰則でもあり、違反をすると幹部から「○○、正座!」と言われ、30分やらされたとか。ちなみに教本には「鼻頭を通して一間(約180センチ)先を見る」とあるが、角度的に日本人がやろうとしたら顎の反り返ること必定である。

・せい-なる-おっさん【聖なるおっさん】
巻藁の隣の壁に貼ってある図の中に描かれている人物のこと。全裸で射法八節を行っている謎のおっさん。しかしこのおっさんが正しい射形へと導いてくれると言っても過言ではない。

・せきぜんふどう【寂然不動】
蹊心館道場に掲げられている標語。「静まりかえってそれ自体全く動かない」という意味。古くは四書五経のうちの「易経」に同じ表現がみられる。蹊心館の木彫りの標語の脇には、「小弥太影」の銘と印があり、成蹊学園と縁の深い岩崎小弥太(1879−1945)の臨書を彫ったものと思われる。ちなみに、「じゃくぜん」と読むと平安末期の歌人を指してしまうので注意が必要。

・ぜん-かん【全関】
全関東学生弓道選手権大会の略。毎年6月あたりに日本武道館で開かれる。この大会は関東学生弓道連盟に加盟している大学の他、東京都学生弓道連盟に加盟している大学も出場するというビックな大会。実は遥か昔に1名だけ、女子個人戦で優勝した先輩がいた。成蹊大学弓道部のちょっとした自慢である。

・ぜん-にち【全日】
(1)全日本学生弓道連盟の略。 (2)全日本学生弓道選手権大会・全日本学生弓道遠的選手権大会の略。いわゆるインカレ。学生弓道における数少ない全国大会のひとつ。会場は全国持ちまわりなので、東京から遠く離れてしまうと不参加になることがある。

・そく-る【束る】
一手持って二射とも中ること。審査で出せたらもう最高。


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